スキップしてメイン コンテンツに移動

通信ネットワーク技術は何処へ?


日経電子版に翻訳掲載されたForbs223日の記事は、時代の一つの節目を表しているように感じる。


パソコンの常識を覆し、誰でも使う事が出来るほど身近なものにしたアップルコンピュータのマッキントッシュ、以降若干の紆余曲折はあるがアップル、ウィンドウズ系PC共に、想像を絶するスピードで進化を遂げてきた。 これに丁度同時並行的に、インテルなどの半導体企業の躍進、マイクロソフトを筆頭に多くのソフトウェア企業が生まれ新たな産業分野が創生された。 1970年代半ば辺りから、米国国防総省の指揮の元に開発されたアルパーネットを基本技術としたパケット通信技術が商用化されるようになり、現在のインターネットへと急激な進化が始まる。 このネットワーク関連機器の世界最大手企業が、Forbs記事にあるシスコシステムズ。 同社CEOの云うようにシスコの新製品投入スピードには凄まじく、常に市場をリードしてきた。

そして今、Forbsは、シスコは突然普通の大企業になったという。 確かに現代に於いては、通信ネットワーク技術に目新しいものは無くなった。 光ファイバーは一般家庭の屋内にまで入り込み、3G携帯電話も次世代への移行をみせており、屋内無線LANも当たり前になった。 次に来る技術は、恐らく光通信と無線通信(携帯の様な移動無線を含む)の競合的融合と帯域幅の拡大(現在の実行速度の何倍もの速さ)への進化であろう。 これも既存技術の延長線上に見えてくるものと云えなくもない。 通信インフラを支えるこれ等ネットワーク技術は透視しうる向こう35年位の間には、革新的な変化を見込むことは難しそうだ。 

今後暫くは、進化してきた通信ネットワーク技術や高性能コンピュータ、パソコン等に代表される情報処理技術を使い如何に便利な利用価値を生み出すかという点が競争と成長のポイントになる。 フェースブック、ツイッタmixi, マイスペース、等のソーシャルネットワークの沸騰、オンラインゲーム等に加え、医療面における診断・センサー技術・リモコン技術の進化による遠隔・在宅医療技術の発展、そしてスマートグリッドと称する省エネ型電力・データ網等、現在の技術をベースとした様々なアプリケーション、革命的な利用価値の創造と向上が急速に進むのではないかと思われる。 ネットワークインフラシステムに主力を注いてきた、シスコシステムズは、今この課題に直面していると考えられ、それが決算内容にも表れていると思われる。 然し、将来を見通す洞察力に裏付けられた同社の技術開発力に衰えは無いと思われ、必ずやこの課題を克服して行くものと確信し、期待したい。

3/3/11

コメント

このブログの人気の投稿

日本のものづくり力の行方?

昨日配達された「週刊朝日2017年9月29日」に「自動車の世界市場で日本勢包囲網 - ”一強”トヨタも絶体絶命」というかなり刺激的な記事が掲載された。少し乱暴かもしれないが、我が国の大企業は、既存の系列企業との関係や莫大な開発費をかけて従来から培ってきた既存技術へのこだわりなど様々なしがらみから抜け出せずもがいているうちに、ドイツをはじめ海外自動車産業界はEV化へ向けて着々と手を打っているぞ、という、日本の自動車産業に対して強く警鐘を鳴らす内容である。  その中で、注目を引いたのは、「『我々が直接クルマを作る必要があるのか』。VW社内では今、こうした議論が盛んという。 あまり知られていないが、実はVWが自らクルマを作らなくても、立派に生産できる仕組みをドイツの自動車産業は持っている。 量産以外の開発から試作までを請け負うエンジニアリングサービス会社が台頭しているからだ。ドイツのFEV社や隣国オーストリアのAVL社などで、その開発能力はVWにも負けない。 実際、ホンダが新型シビックのエンジンをAVLに開発委託したほどだ。」という。 そして、ドイツのバーチャル設計力とシミュレーション技術力に対し、日本はそれらを軽視してきたことが、自動車王国日本がEV化への対応に大きく遅れた原因ではないかと(筆者理解要約)。 ドイツのみならず、フランスとイギリスがガソリン車の販売禁止策を打ち出し、中国もEVへの移行を決めて、米国もテスラモーターズに代表されるようなEV化への流れがほぼ確実である。   なぜこうなるのか、なぜ日本のEV化への動きがこうも鈍いのか。 ドイツは、2006年に「ハイテク戦略2020」を定め、そのアクションプランとして2011年に「インダストリー4.0」政策を発表し、爾来、IoTやAI技術、ソフト開発技術などの先端技術を用いてドイツの産業構造そのものを大きく変える努力をしてきた。 日本は、2011年3月11日の大震災と福島第一原発事故という大変不幸な事態に直面したことが、先進技術による産業構造変革へ向けて大きく踏み出す力を削いだことは否めないとは思う。 だが、しかしその時こそ、日本の未来を見据えてこの国をどうするかを考え行動に移す貴重な機会の筈であったが、未だにその歩みは極めて遅い。モノづくりの国、日本には、素晴らしい技術が多くあり、個々の要素技術を集積すれば欧米に…

世界を相手に

私は、長い間、スタートアップ企業を含む多くの欧米中小企業と関わりを持ってきた。彼らにいつも感心させられることは、常に世界を相手に仕事をしようとする姿勢である。 
 多くの日本企業も世界で活躍してはいるが、その大半は多国籍大企業である。海外で活躍する中小企業は少なく、情報発信量も極めて少ないs そのことについては、このブログでも幾度か述べてきた。今日の新聞を読んでいたら、「メトロポリス」という情報媒体を運営しているニール・バトラー氏が同じような趣旨のことを指摘していた。


東京新聞2017年11月5日13面
 そこには言語の壁もあるが、世界に向けて自らを開く事に消極的、よく言えば無口で奥ゆかしい、或いは沈黙は金といった日本人の心持にもある。  バトラー氏のように我が国の国際化の遅れを指摘する外国人は多い。「国際化」は、長年の課題であり、今この時にも焦眉の急の課題であるのだが。ゆでガエルにならないことを祈るばかりである。

中小企業の情報発信

世間でよく言われるように、米国には、サンノゼ、サンフランシスコ、ダラス等を筆頭にいくつもの、科学・技術開発のエネルギーが充満・噴出している地域があります。欧州の小国フィンランドでさえも、ヘルシンキが技術の集積地となり、海外から続々と才能が集まるようになっています。 これら海外都市が先進技術の湧出地になっているのは、様々な要因があり、我が国のように年次予算ベースで動く官公庁主導のやり方に依存するだけでは時間もかかり、たとえ時間がかかっても世界の頭脳を呼び込み、融合して新たな技術を切り拓く力を醸成することは中々難しいのではないかと感じています・・・官公庁主導でも、無論何もしないよりはるかに良いですが。
自ら申し出てくる企業やその製品のマーケティング支援は、大切ですが中小企業レベルでも優れた技術を持つ我が国の潜在力をもっと世界に向けてアピールすることはできないものかと思います。「日本の製品、技術は優れている。必要なら探しに来い。」では、大半の中小企業の技術は、世界はおろか日本国内においてさえも限られた人、取引先企業だけにしか知られていないということになります。 
半年ほど前(2016年2月17日)放映のNHKのローズアップ現代で紹介されていた日本で3割の市場占有率を誇る、愛知県の白墨(学校で使用する黒板用チョーク製造メーカの社長さんが、ご自分が高齢となり後継者も見つけられず、他方、自社の価値も測ることが出来ず、先代を含めて80年以上続いた事業の廃業を決意、製造設備と製品のノウハウを韓国企業に売却したそうです。 その韓国企業は、中国市場を狙い事業拡大を確かなものにしているとのことで、日本人としては誠に残念なことです。 スタンフォード大学の数学の先生などは、その日本企業の白墨の品質(はっきりと滑らかにかけるが決して折れたりしない)を高く評価し、彼の授業の必須アイテムであり足りないことが怒らないように大量にまとめ買いをしているとのことです。
このチョークの例は、少々身近すぎる話で一話完結ですが、埋もれている技術も他者の目で見ると、自分では気づかない価値が見いだされることは頻繁に起こり得るわけです。 この価値を見えるようにするということは、先ずその情報が発信しなければなりません。
資金力もなく、自らがすぐれた技術を有するわけでもなく、馬齢を重ねた私だけでは、如何ともし難いのですが、情報…