2011年6月4日土曜日

分らぬままの日本の電力

  今このブログを書いている時点で稼働中の我が国の原子力発電設備は僅か17基、休止中の物は37基もあると云う。 原子力発電所は13カ月毎に定期点検の為休止する必要があるそうで、其れを再開する為には、その所在道県知事の許可が必要であると。 若し、今後総ての知事が、休止中の原発の再稼働を承認しないと、ほぼ一年後には我国の原子力発電所は総て止まるという事になるのか。 我国の電力の20-30%が原子力発電で賄われていると云う。

  3・11以来、原発を使用し続けるのか、或いは脱原発なのか、漠然と語られているが、これからどうするのか。 真剣な議論が必要だと思うが、我々国民には本当の所が判らない。 即刻全原発を停止しても、日本の電力は困らないと云う論もある。 その場合、2020年までに二酸化炭素排出量を対1990年比で25%削減すると云う国際的なコミットメントをどうするのか。 地球環境に対する影響は本当に考えなくてよいのか。

  他方、原発は電力単位当たりのコストが安く、二酸化炭素を排出しないので、地球温暖化を遅らせるには有効な発電方法だと云われる。 然し、福島第一原発事故による環境汚染とその後始末はこれからで、どの位の費用が必要か正確なところは判らない。 このコストを考えた時に、原発により供給される電力は本当に安価と言えるのか。 万一原発に飛行機が墜落したらどうなるのか、素人にはその強度が分らない。 東日本大地震級を想定して我国の原発の安全性の再確認と補強をするという。 既存原発設備に相当の補強が行われるとしてその安全性をどの様に担保するのだろう。 

  再生可能エネルギーを発電の軸に据えると、現在の発送配電の地域独占体系を変えるべきたとの議論もある。 その時全体の管理体系は通信ネットワーク上に散らばる個々のコンピュータとその統合システムにゆだねる、つまりスマートグリッドを構築すればよいと。 再生可能エネルギーに期待は高まるが、未だ、たいして大きな電力供給源になるとは考えられていない。 現在の技術力と開発力、5年後、10年後、20年後の可能性はどうなのか。 嘗ての日本には、世界が驚愕するようなことを結構やり遂げてきたように思う。 エネルギー分野でもその底力を発揮できないのだろうか。 少なくともその可能性の議論をしても良いのではないかと思う。 

  海外はどうなのだろう。 何年か前に、あるドイツのベンチャー企業が日本に燃料電池の売り込みに来た。 某大手商社が検討していたようである。 今どうなっているか知らないが、この時に少し垣間見た事だが、ドイツは頑張っている。 今回ドイツのメルケル首相が簡単に脱原発を言い出した背景もドイツの技術的底力にあるような気がする。 ドイツは原発大国フランスから電力を買っているから自国の原発を止めても困らないとの話もあるが、EU域内におけるドイツの電力輸出入バランスは均衡しているとの意見もある。 

  分らない事ばかりだ。 即刻脱原発、○○年後に原発を完全に撤廃する、今後共原発を利用し新設も継続して行く、三択の議論。 其々のケースについて、詳細な情報を元に国民的議論を喚起する必要があるのではないか。 大手メディアもこの辺りを余り掘り下げて報道しているように思えない。 今我々日本国民は皆、何となく総ての原発が停止してから考えても遅くは無いと高をくくっていないだろうか。 或いは、国民の脳裏から今回の惨状の記憶が薄れてきた頃に、何事もなかったが如く原発が稼働しているのだろうか。 今、データ―を詳らかにして国民的議論を喚起する、何故それが出来ないのか、これもまたよく分らない。 
  
  透明性のあるデータの公開と国民的議論の開始・・・メディアに期する所、大である。

6/4/11