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幸福感

昨日、昔からの仲間3人で瀬戸内海をクルージングしている友人の1人から連絡があった。梅雨前線の影響でクルージングを見合わせて最寄りの港で帆を休ませつつ、地場の料理を堪能しているとの事だった。3人の中には、最近料理の腕を上げた友人もいる。きっと地場の食材を使いながら腕をふるったに違いない…と想像している。50年来のヨット仲間とともに、瀬戸内海の海を眺めながら、若かりし頃に思いを馳せ、ランタンに照らされたテーブルを囲み美味しい料理に舌鼓を打ち、話に興じ、ゆったりとした時間を過ごす。デンマーク語でこれを「Hygge(ヒュッゲ)」というそうだ。一言で表せる日本語訳はなさそうだが、場所や金額や品質などの物的価値に無関係に使われる、心地よさ、幸福感を表現するような言葉らしい。デンマーク人は何かをするとき、例えばコーヒーショップの選択、家族と過ごす時間の使い方、友人と過ごす時間や場所の選択など、日常の多くの場面で「Hygge」という言葉を使うそうだ。 いかにも世界幸福度ランキングで常に上位1~3位にいるデンマークというお国柄なのだろう。
 その世界幸福度ランキングとは、国連の持続可能開発ソリューションネットワークが毎年公表する報告書に記載されるもので2018年版は世界156か国を対象としている。2018年版における世界第1位はフィンランド、第2位ノルウェー、そしてデンマークは第3位と北欧勢が上位を占める。日本は、54位と昨年2017年版に比べて3ポイント順位を下げた。この幸福度は、夫々の国民が感じる幸福感を含む様々なパラメーターを使い算出するそうであるが、その算出法について各国が納得しているのかどうかは分からない。また幸福度は個々の人間によりみな異なるに相違ない。従い、この「幸福度ランキングに一喜一憂する必要はないだろう」という声もありそうだ。しかし、全156ヵ国中54位とはOECDの中核国を自認する日本としてどうなのだろう。
 1960年代から1980年代半辺りまでの日本は、世界を牽引するほどの勢いと高揚感に包まれていた。 だが今、当時を振り返ってみると、我々の日常生活はあまりにも気ぜわしく、息つく暇もなく働くことを優先していたように思う。そう、「Hygge」を蔑ろにしていた。1990年代に入り、若干の反省、そして何よりも経済活動の鈍化から、スローライフが言われるようになるが、本…

書棚の整理中に・・・

日常の家事で本棚の整理は、ひときわ時間が掛る作業だ。もう二度と読むことは無いだろうと思われる書籍を背表紙の文字で判断して段ボールに詰めて古本屋さんへ或いは資源ごみとして古紙回収業者にだす。しかしながら、昔懐かしい背表紙の文字を見るとつい手にとって読み始めてしまう事は誰もが経験することだろう。今もついその表紙を開いてしまった本がある。1987年に講談社から発行された糸川英夫博士著「日本が危ない」、その128頁に次の様な文章がある。




「イスラエルはまったく違う。砂漠で農業が出来ないから、農産物を輸入すればいいというのではなく、砂漠でも何とか農業ができないものかと、一所懸命に考えて、独自の方法を開発した。それも、砂漠という農業にとっては致命的な悪条件を、逆に利用したすばらしいアイディアである。  ユダヤ人は常に周辺民族との苦しい戦いを強いられ、流浪の旅でも迫害され続けてきた。だから、例え農産物を何処かの国から輸入しても、その国との関係が悪くなって輸入がストップしたらどうしようかと、ずっと先のことまで考える。しかし、日本人はそこまでを考えない。 だから、オイル・ショックの様な事が起こると、とたんに狼狽し、日本中がパニックにおちいる。  日本も先のことを考えて原子力の利用をしているのではないかという人もあろう。その原子力発電にしても、海外からの輸入技術で、日本人が独自に開発したものではない。 しかも、廃棄物の再処理問題も解決していないうちに、何処かの国で再処理技術も開発してくれるだろうから、そのときに処理技術を導入すればいい。 それまでは、どこかにためておけ。  これで、先の事を考えたつもりなのである。」
 上述の状況は30年余を経過した今も余り変わっていない。 糸川英夫博士は1996年徳間書店から出版したその著書「日本でくらしたい日本人のために、これだけは言っておきたい -21世紀への遺言」170頁以降に次の様な文章をも残している。 少し長いがここに引用する。
「核開発をめぐる人間のおごり  もう一つの話をします。世界中のマスコミの大反対の中で、フランス政府は、南太平洋のムルロワ環礁で核実験を強行しました。今後も、核兵器開発は止みそうもありません。 ここで、考えてみたいのは、第一に『核技術とは何であるか』ということと、第二に『民生技術はどうなのか』、第三に『核技術と我々の、経済状況、社…