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ものづくり中小企業間の協業と共創

 1990年以降長い間、我が国には、世界を変えるような革新的な技術や製品が生まれる環境が整っていないと言われ、 「破壊的創造」や「イノベーション」の必要性も言い尽くされた感がある。 では、その言葉自体も古びてあまり使われなくなった今、果たして、日本は変わったのだろうか。否、IoTとかAIという新しい言葉が表れて来てその応用面における議論や新たなサービスに関する話題はにぎやかになってきた。  しかしながら、我が国は 相変わらず 新しい技術や製品・サービスをもって世界に大きな影響を与えるような状況に至っていないのは残念なことである。 なぜそうなのか、多くの論者がその理由を語り様々な提案をされているのでここでそれを復唱するつもりはない。  今から5年程前に、東日本大震災のあった年、筆者が属するチームの仲間たちと【 東日本大震災復興以降ー新しい社会の創生へ向けて 】というテーマで小論をまとめたことがある。その小論の中で筆者は「総合知の活用で活力ある社会を実現」と題して、情報通信技術(ICT)を活用した「智のプラットフォーム」を前提に、「ものづくり」、革新的な技術・製品・サービスの発掘、人の生活などの点描を試みた。  当時を振り返り検証するという名目で、今年、2016年5月より5回連載で月刊誌「BigLife21」が、その小論を掲載してくれた。同拙文の中で、ものづくり中小企業が連携し共創を試みることにより、中小企業ならではの短い期間で素晴らしい物を生み出すことが出来るのではないかと書いた。この考えは今でも変わらず、是非実現に向けて動き出してほしいと思う。 「BigLife21]2016年7月号に掲載された拙文を下記に添付しておく。また、同文が「BigLife21」のウェブサイトにもアップされている。URLは 此方。

創造力と活力の源泉となる場を設ける・・・

イスラエルの人口は僅か780万人程度だがそこには、数多くのベンチャーキャピタル( VC )があり、優れたアイディアと技術を有する若い企業が世界に羽ばたいて行く。  その数ある VC の中でも最大手の一つ JVP Fund 、そのエルサレムに本拠を構える VC としての機能を包み込むように、 JVP Media Quarter がある。  JVP Media Quarter は、 JVP Fund の創業者 Erel Margalit 氏が、技術、創造性、社会活動の融合を実現し興奮に満ち活力に溢れる場を設けようと、 2002 年にその構想を描き、翌年からその実現へ向けて動き出した。  2006 年には英国統治時代に建てられたビルを改修し、エルサレムの旧鉄道駅周辺の活性化も実現する大がかりな作業に着手、 2008 年に現在の姿が完成した。 そこにはバウハウス様式の美しい姿のビルがあり JVP Fund, JVP Media Labs, JVP Community がある。  JVP Fund は文字通りベンチャー企業に対する資金的支援がその業務、 JVP Media Labs は生まれたての企業を育てて行くインキュベーションをその主たる業務とし、そのもとに集まる多くの若い企業が JVP Media Quarter 内に事務所を構える。 そして JVP Community は、何某かのハンディキャップを有する子供に対する教育上の支援、社会生活の為の予備的支援、それらの子供の親たちに対するアドバイス等広く考えられたプログラムの提供、若い音楽家、芸術家の表現の場所などが提供されている。 驚くべきことは、 JVP Media Community の実質的な活動が徴兵前の若者によるボランティア活動により支えられているという事だ。 この様に、若い企業が生まれる環境を作り、育て試験的支援を行う一方、ハンディキャップを有する、潜在的な社会的弱者を子供の時から支援して行くシステム、 JVP Media Quarter の資料を読んでいて、今こそ日本にもこの様な仕組みが必要ではないかと、つくづく思う。  おりしも、 7 月 15 日朝日新聞朝刊「ザ・コラム」に渥美好司氏(朝日新聞福島総局長)が専修大学広瀬教授の言葉として「希望のある社会とはどの様なものかを想像...

企業間水平分業・協業へ向けて

下記は、21世紀 の日本が取るべき道の一つではないかと思っています。 未だ漠としたアイディアの段階ですが実現へ向けた試行 実験をするところまで、もって行きたいものです。 ==================================== 最近まで我国技術・製造にかかわる企業はその大半である中小企業も大企業に寄り 添う事で比較的安泰な時代が続いておりました。 それは主に、大企業が率いる系列、 或いはエンジニアリング会社或いは技術系商社等によるコンソーシアムの内側に居る ことが出来たからです。 今、様々な要因によりこの古典的セーフティネット構造が崩壊 しつつあり、中小企業自身が創造性を発揮して行かねばなりません。 我国には、優秀な技術や製品を有する多くの技術系中小企業が存在しますが、個々 の企業の活動だけでは自ずと限界があります。大企業系列における垂直関係から離れ て創造的に活動して行く為には、中小企業同士の水平協業或いは斜協業が必要です。 然しながら一口に協業と言っても、企業努力だけでは難しい面があり、そこに は協業を促進するコーディネータ役、それも技術に極めて強く創造力があり、システム開 発構想力、エンジニアリング力、さらに加えて、マーケッティング・販売、知財管理(主と して対国外)、サプライチェーン管理、財務、国際事業等にも精通している強力な専門家 集団であるべきでしょう。 そのバックボーンには、「和」、「共生」の様な日本人 の心がなければなりません。 最初は無理でも、その位強力な専門家集団が育つ必要 があります。 この様な高度な総合力を有する強力な専門家集団こそが、我国の優秀な技術を支え ている中小企業の能力を最大限に生かした創造的協業を生み出し、21世紀の日本を 支え世界に範を示してゆくものではないでしょうか。 ここで敢えて注書きを入れるとすれ ば、この専門家集団が新たなピラミッドの頂点に立つ様な意識を持たぬような倫理・哲学 的な規律が今後の社会システムの中に組み込まれている必要があることです。 ==================================== 3/24/12

総合知の活用で活力ある社会を実現

先日、 私が所属する非営利団体の一分科会が、今後の日本をどうするべきか、提言書を纏めた。その全文をこのブログに掲載する訳にはいかないが、ICT の切り口からどの様なことが出来るのか、近未来にありうる情景を短編小話風に書いてみた部分を以下に転載する。尚、提言書全文は、 南山会分科会ファイル に収められている。 =========00===================00==================00========== <総合知の活用で活力ある社会を実現> IT バブルの崩壊で明けた 21 世紀であるが、 IT (情報技術)の進歩は止まるところを知らない。それが真価を発揮するには、通信インフラが欠かせないが、東日本大震災で壊滅的被害を受けた通信設備も、電話や光回線等、基本部分は僅か 2 ヶ月足らずで復旧した。今後の復興過程では、更に堅牢で高機能な通信インフラが整備されていくに違いない。 IT で様々なものが繋がる巨大なネットワーク、そこには、広大な情報、知恵、多様な文化を持つ人々が存在する。今後、ネット上の情報発信者の数は急増するだろう。そして、発信される情報間の相互作用が始まると、とてつもなく大きな総合知、創造知が生まれる可能性がある。 我国発展の源泉は、従来もこれからも優れた人的資源と豊かな技術力である。 IT ネットワークは、そのパワーを増幅し日本国民が活躍する場を提供してくれる。今や携帯電話は一人に一台、しかも猛烈な勢いでスマートフォンが普及している。子供から老人までがネットにアクセスする時代であり、 IT に対する日本人の親和性は非常に強い。日本人の特質とされる高い受容性と応用能力に、東北人独特の粘り強さが相まって、 IT を高度かつ広範囲に適用すれば、被災地東北は以前より遥かに強くなり得るのである。今こそ、その潜在力を活用すべき時であり、それを為さねば彼我の競争力には大きな差がつき、我国は国際社会において著しく後れを取ることになるかもしれない。 我々はそのように考え、ここに IT がもたらす総合知を活用する為の、斬新な発想のアプリケーションの開発とその実証実験の実施を提言したい。最新 IT の活用が被災地復興・強化の一助となり、未来志向の産業のあり方を確立、魅力ある雇用を創出し大都市へ流出した労働人口を呼び戻し、新しい社会の...

インターナショナルスクール

「軽井沢インターナショナルスクール設立準備財団」、その代表理事が熱い思いを語っている。 素晴らしい計画だと思う。 町の活性化と国際化、国際人の養成、その他様々な点で、町を超えた次元で優れた影響を及ぼすのではないかと思う。 成功を祈りたい。 Source: Karuizawa TV via YouTube 1/24/11

貿易依存度

「国際化」、古くて新しいテーマだ。 世界の其々の国ごとに、その時代の国際化がある。 今年2010年10月、菅直人首相が所信表明演説で、五つの重要政策課題の一つに「国を開き未来を拓く主体的な外交の展開」を挙げ、「・・・・天然資源・エネルギーや市場を海外に依存する我が国は、如何にして平和と繁栄を確保するのか。受動的に対応するだけでは不十分です。 国民一人ひとりが自分の問題としてとらえ、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければなりません。その際、国を思い切って開き、世界の活力を積極的に取り込むとともに、国際社会が直面するグローバルな課題の解決に向け、先頭に立って貢献することが不可欠です。(以下略)」と云う。 昨年辺りから使われ始めた言葉、「第三の開国」(明治維新、第二次世界大戦敗北に次ぐ、三度目の開国という意味らしいが)を、念頭に置いているようだ。 世界銀行が発表した 2007 の貿易依存度(物品とサービスの輸出入合計額を GDP で割った数字)は、 33.5% で 169 位というデータがある。 我国の下には米国とブラジルだけがデータ算出可能な国として挙げられている。 過去の数値を眺めてみると、 2007 年が特に悪いわけではなく、 1990 年と 2000 年は其々 20.0% と 20.5% で世界 160 位と 180 位、又、12月14日付日本経済新聞のコラム「一目均衡」によると、最近(恐らく 2009 年)の数値は 22% となり、 175 位である由。 輸出入のバランスはどうか、同じ世銀の 2007 年のデータを読むと、日本の輸出、輸入の対GDP比は、其々 17.6% (世界 157 位) , 15.94% (世界 171 位)と余り大きな差は無い。 生憎、 1960 年 -1990 年のデータが手許に無く、過去50年間を俯瞰することは出来ないが、少なくとも直近 20 年で見る限り、総人口で世界の10位である我国の貿易依存率が如何に小さいか分かる。 ここ数年、内需拡大が叫ばれているが、我国の総人口曲線も減少に転じた。  現在の低い貿易依存度に甘んじつつ、慎ましく国内市場依存を続けてゆくのか、或いは我国歴史上類を見ない大きな飛躍を遂げて高度に良質な社会を構築して国内志向を維持して行くのか、或いは国内市場の延長としての海外市場を開拓して行く...

破壊的創造性の源泉はどこに?

表題は、世間同様、私も関心を抱いているテーマの一つである。 天才による閃きが世界を変える発明に繋がる、あるいは凡人でも「3人寄れば文殊の知恵」、千に三つ位は、革新的なアイディアが生まれるのだろう、集まるのは3人と云わず異なる環境で異なる発想を有する人々が多いほど良いのではないか・・・なればインターネットが普及しているこの時代、ネット上で新たな知恵の創造は有りうるのだろうと、日頃感じている所だ。 折しも、フィナンシャルタイムズなどで紹介されている、「WHERE GOOD IDEAS COME FROM - THE NATURAL HISTORY OF INNOVATION」(Steven Johnson著)という題名の本が有る。 紹介記事によれば、素晴らしいアイディアは人々が集まり活発に意見を交わす嘗てのロンドンのコーヒーハウスの様な場所で生まれる事が多い。だが然し、それは一朝一夕にして創造されるものではなく、知的探求の長いプロセスの最後の段階で現れると。 創意あふれる場所と人の集まり、そして互いの刺激と協業、協働が大切と説いている由。 ここに、アニメーションを使い4分程度の動画で同書内容の紹介をしているビデオが有る。 著者自身もブログで、想像以上に良く出来ているビデオであると述べている。 4分で分厚い本を読んだ気になれるかもしれない。 もうひとつのビデオは、米国TEDで、著者が後援しているもの。 17分と少々長いが、とても刺激的な話、一見に値する。 12/10/10

ものづくり日本の国際協業

  とても勇気づけられる。 昨日のNHK総合テレビ「NHKスペシャル 灼熱アジア 第4回『日韓中緑色戦争』」で紹介されていた大和化学工業という会社。 番組によれば、同社は、グリーンテクノロジー分野に於いて、中国北京大学と共同研究するプロジェクトを立ち上げた。 それも自社技術を無償提供し、更に寄付金(多分、研究開発費の一部とするのだろうが)も提供するという。 同社社長の発言として、「所謂チャイナリスクは、認識しているが、認識したからといって、歩みを止めることは出来ない」と。 心強い。      長期に亘る世界的景気低迷、他方勢いよく追い上げてくるアジア各国、日本国内市場だけでは存続し続けることが困難になってきている我国中小規模製造業が、其の困難を克服する幾つかの選択肢の中で、企業間提携による共同技術開発はかなり有力な手段の一つであろうと思う。 国内企業同士の協業のみならず、日本国の外に大きく広がる海外市場を見据えて、幅広く海外企業と協業を図ることは今後益々重要になる。 技術開発の分野でも例外ではない。 当初は困難が伴うであろうが、軌道に乗れば日本人の発想では見過ごしてしまうような斬新なアイディア、技術が生まれる可能性も大いにあると思う。       このような思いで、昨秋から、技術を有する我国中小規模企業紹介のポータルサイトANSListsに着手した。 " ANSList s"を覗けば該当する技術分野の殆ど全ての企業(中小規模・非上場)を見ることが出来る所まで作り込みたい。  一個人の作業故に限界はあるが、英語で情報発信を心掛けている企業を一覧できるサイト、可能な限り継続しつつ、海外における認知度を高める努力を続けて行きたい。      昨日のテレビ番組に登場した会社の存在は、"ANSLists"を作成する強い動機となった、我国技術系中小規模企業の国際協業を、ボランティアとして間接的に支援して行きたいとの思いに繋がり、感慨深く、又、大いに勇気づけられた。  11/15/10

日本の存在感

BSフジ午後8時からのプライムニュースが面白い。 本日の主題の一部をプライムニュースのウェブ上のスケジュール表(  http://www.bsfuji.tv/primenews/schedule/index.html  ) から引用すると、「 外交評論家の磯村尚徳氏と、大蔵官僚時代は国際金融の世界で活躍し「ミスター円」と呼ばれた青山学院大学教授の榊原英資氏に、政治・経済・文化などの面から日本の存在感・外交力・交渉力を高めるにはどうしたらよいのかを聞く」とある。 メモを取りながら番組を見ていたわけではないので、正確な記述は出来ないが、磯村氏と榊原氏の発言で印象に残ったキーワードを私自身の備忘録として以下に書き留めておく。 磯村氏曰く、発信力は、立ち居振る舞い55%、声を出す38%、内容7% (”声”と”内容”の比率は少々異なるかもしれない)。 米国海軍と日本の海上自衛隊は世界のトップ2で有ることを認識するべし。   海外港湾設備、海外企業などを買い付けるなど、 円高環境を戦略的に活用するべし。 榊原氏曰く、環境、安全、健康、世界のこれからを担う3大要素を全て持ち合わせる日本よ、もっと自信を持つべし。 今日米国のガイトナー財務長官がドルは強く有るべしと云い、若干円が下がったが長続きはせず、円は史上最高値79円75銭を必ず突き抜けて70円台前半まで行く可能性高い。 円高をもっと活用することを考えるべし。 円高を戦略的に活用するべし・・・例えば海外資産を買い付ける、積極的に海外進出を図るなど。 日本企業は外に出る以外に更なる成長はあり得ない。 約2時間の議論、とても興味深く視聴した。  10/19/10

脱日入亜

1997年の経済危機で大打撃を被ったタイが、FTA促進と並行して日本など海外製造業を呼び込み、今や中国やインド、そして日本をも含むアジア地域の製造拠点として確固たる地位を築きつつある。 金型等に代表される日本の得意分野に於いても、タイの技術水準は日本を捉え一部には日本の水準を凌駕するところまできた。 そこには多くの日本の大企業、中小企業の現地進出と技術移転がある。  本日始まったNHK特集番組「脱日入亜」、第一回目の要点をこのように見た。 「ものづくり日本」何処へ、日産マーチもタイから輸入されるようになった。 知財移転の対価は知れている。 何が今後の日本を支えて行くのか、色々な思いが頭をよぎる。 8/22/10

国を開く?

沈みゆく日本、立ちすくんだ日本、国内にこもる日本、などなど、最近は、さまざまなメディアが日本は世界の中で凋落しつつある国かもしれないと警鐘を鳴らす。 今日の日経新聞朝刊、一面の特集記事のタイトルも「こもるなニッポン」。 長年海外と関わりながら仕事をしてきた私の眼には、突然日本が内向きになったわけではなく、日本を取り巻く外の世界の変化速度が極めて速くなっているのに対して、我国の対応速度が鈍いと見える。 今になって特に、嘗てよりも、日本人が以前に比べて内向きになったということではないように思う。 諸外国に比して、日本と海外との関わりを、積極的に進化させてゆく速度が鈍いのは、国内の産業構造、政治構造など極めてドメスティックな点で大きな節目に来ているにもかかわらず、国内さえも今後どのようになってゆくのか見透すことが難しくなっている、即ち自らの足場が脆弱になっていて跳躍しにくくなっているということは有るかもしれない。 最近盛んに言われているFTAや、日本対アジアではなく、アジアの一員としての日本、これも40年一日の如く言われていることだが、未だ目覚ましい進展はない。 国策としての戦略的な動きが鈍く、日本国内市場の延長として世界市場を捉えている個々の企業活動の範囲に依存している現状は、過去数十年変わっていないように思うが言いすぎであろうか。 国をより一層開く、日本の外でおきている一大変化をキャッチアップし、出来れば主導権をも取り戻すには、速度を上げて動く、多面複合的な施策を実行することが焦眉の急なのだろう。 やるべきことは分かっている筈だから・・・ 4/7/10

BSフジ PRIME NEWSが面白い

普段余りテレビを見ないが、最近ちょっとはまっている番組がある。 BSフジ 「Prime News」平日午後8時から9時55分まで、その日のテーマに関して、現在日本におけるトップレベルの専門家を招き徹底的に話を聞く。  今日のテーマは、「目前に広がる巨大市場! アジアを日本の内需に取り込め! ASEAN・中国・インド経済のカギ!」。 なかなか良い話であったように思う。 最後の結びは、「”アジアと日本”ではなく、”アジアの中の日本”を再認識し、我々自身がもっと開放的になること、そして日本の内と外を区別してはいけない」という。 これは、日本の経済成長が加速を始めた1960年代頃から言われてきたことだと思うが、 どうも40年以上前から言われていた割には、現実に対する準備不足、うかうかしていると「アジア圏経済活動」においても遅れを取る可能性が危惧されている。  40年以上も前に識者達が指摘していた課題が、ようやく現実問題として注目され受動的ながら対応を迫られている現状を見ると、半世紀近くの間我々は何をしていたのか、おさおさ怠りなく準備を進めるなどということは少々難しいのかもしれない。  人口減、少子高齢化による国力の低下も懸念される我国日本、半世紀先といわずとも10年-20年先を見据えた策に今着手出来ているのかどうか・・・そんな疑問が、今日の番組を見ながらふと頭をよぎった。 4/1/10

道を切り拓くということ

日経ビジネス2010年2月22日号116ページの「有訓無訓」に東京大学教授・歴史家加藤陽子氏の文章が掲載されているので引用したい。 「歴史はそのままの形では決して繰り返しません。 でも、変革の原動力として共通するものはある。 それを探し出すのが、歴史を学ぶ本当の面白さなのですね。 ここでちょっと、今の私たちを振り返ってみるのも面白いでしょう。『政府に貸したお金は返ってくる』と信じているか、否か。 あなたの判断は如何ですか。 答えによっては『捨てる』を、固めた方がいいのかもしれません。」 『政府に貸したお金』にも様々なものが有ると思うがここでは詳述しない。 この文章で私が強く感ずることは、『返ってくると信ずるか否か』このあたりが不透明になっている現代日本、不安感を抱く人あり『返ってこないと」さっさと諦めて新たな挑戦を試みる人ありだが、後者よりも前者が圧倒的に多いように思う。 一部の産業では縦割り構造が破壊され新たな挑戦を余儀なくされるケースが増えつつあるようだが、長い間に積み重ねられたしがらみと複雑なサイロ型構造はまだまだ多く身の回りに多く存在しこれらに横串を通してサイロの壁を取り払うことが出来ないものだろうか。  昨日のNHK番組で元NPO法人代表で1月末までの100日ほどを、鳩山総理から直接任命を受けて内閣府参与として奔走した湯浅誠氏の活動を追った映像が放映されていた。 昨年12月25日から今年1月4日(その後2週間延長)までの間に、生活困窮者に対する就業支援・生活保護支援・短期住宅確保支援等をワンストップでサポートする行政窓口を設定することに奔走した様子をレポートした映像である。 省庁レベルの縦割り構造、国・地方自治体間の役割分担等多くの組織や規則。規制等による障害を乗り越え、時には妥協し、成果を出した。 湯浅氏の努力は素晴らしかったが、見ていて孤軍奮闘の感あり、独りで官僚機構というサイロ型巨大機構を動かさなければならない実態。 仕事にひと段落付けた今、湯浅氏は首相と副首相に辞意を表明し撤回していないらしい。  平凡かもしれないが、新しい産業、雇用の創造言うに易く行うに難し。 萎縮している気持ちを解き放つ、サイロ型構造を変える、信ずることが出来なくなったモノは捨て去る。。。過激だが必要なことかもしれない。 3/1/10

日本の技術 (2)

先にも書いたが、技術を有する日本の中小企業のホームページを数多く読んで感じたことの一つに、日本が誇る加工技術その物をブラックボックス化して、いかなる先端的な機械にも埋め込みが出来るようなインターフェースを持たせることはできないものだろうかとの思いが強くある。 詰まり我国の中小企業の多くが上位システム製品に利用される部品加工技術に特化しているように見受けられるが、これら企業の多くが、長年の経験の蓄積(暗黙知)をその企業の技術の優位性の一つに挙げている。  他方新興国によるキャッチアップ、そして低コスト化の先に見える我国の姿には、明るさが乏しい。 なれば、いっそ、その”暗黙知”をブラックボックスに封じ込めてモジュール化し、対価さえ払えば誰でもがそのモジュールを使えるようにすることは出来ないか。 やや開き直りの様にも思われるが、暗黙知という知財を有形化する方策は、一つの選択肢たり得ないか。  素人の戯言と笑われるかもしれないが、現在の技術を捨て去ることなく進化発展させることが出来ないか・・・浅はかながら、その思いが頭を離れない。 10/7/09

日本の技術と情報発信

技術を有する日本の中小企業を英語でリストアップするANSListsにデーター入力を初めて早くも2か月近くになる。 まだまだ道半ばだが、既に一万件位のホームページを見たことになるだろうか。 この間実に多くの新たな発見があり、これからもこの作業を続けて行くとさらに多くのことを学ぶことができると思うと胸躍る気がする。  又、それぞれの企業のホームページの作り方は、当然のことながら千差万別ながら、そこには何か日本独特の型があり、それを英文にそのまま翻訳すると違和感が出るものも多くある。この辺りのことは別途このブログに書き留めて行きたい。 9/30/09

日本、韓国、中国、3国間企業連携

EMS-R2グループ 、横浜に本社のある 3TEC   ( 以前英文ブログANSTechGlanceにも引用した企業 ) という会社が中心となって創設された日本と韓国の中小企業が参加するグループである。 参加企業の業務分野は、回路設計、ソフト開発、基板設計、基板製造、金型・射出等の製造関連分野から各種認証試験、研究開発、機器開発販売、貿易、展示・広報関連、通訳、等20分野に及ぶ。 現在は中国の企業も加わりこのブログを書いている時点で参加企業数を数えてみたら105社。 少し長くなるが、EMS-R2グループのホームページ上の事務局あいさつ文には次のように書かれている。 「 EMS-R2 グループ は、高度な技術を保有する日韓の中小企業と、強力な生産能力や巨大な市場を有する中国との連携・相互補完により、新市場の創出、製品・販売・サービスの高付加価値化を目指す取り組みを支援いたします。 その目指すものは、単なるコスト競争に囚われず、市場に求められる製品開発力や、各社のコア技術を結集することで可能となる、国境を越えた新しい市場の創設。 従来のEMS事業(Electronics Manufacturing Service=電子機器の受託生産サービス)-大手メーカー主導型-とは異なり、日韓中の各中小製造開発企業の対等な連携による、新たなスタイルの製品 開発、製造モデル(プロダクト・デザイン)からマーケティングまで、幅広いサービスをお届けいたします。」 とても心強く、このグループ創設に尽力された方々の熱い思いが伝わってくる。 日本国内に於ける”産業クラスター”は、政府の強い支援もあり、数多くあるが、このようなアジアの強力な国々による連携”は、21世紀の我国産業の有り方を示唆しているように思われる。 参考サイトへのリンク: EMS-R2 グループ 、 株式会社3TEC 7/15/09

国際協業

米国ウォールストリートジャーナルのインターネットサイトに”D| All Things Digital"というページがある。通常ここで取り上げる技術/製品は一回一つの技術/会社だが、今回は一つのテーマに3社が関わる。  Canesta と Gesture Tek という米国企業2社と日立の3社だ。  ここで紹介される新技術の応用例は、テレビ受像機に内蔵した小さなカメラが人間の手振りを読み取り反応するというもの。 テレビ受像機に限らず、様々なディスプレーパネルに利用でき、家庭内の電気製品を一つの画面に向かいジェスチャーで制御できるという。 出来てしまえばどうということもなく、“利用範囲の広い面白い技術”であるが、このような技術を1社独自で開発しようとすると膨大な時間と資金を必要とするように思う。 「3人寄れば文殊の知恵」の結晶が、まさにここにある。 日米の 国際協業 で有るところが今後益々複雑になるであろう新技術開発の方向を示唆している。 7/6/09

世界へ向けての情報発信

日本から世界へ向けての情報発信、言われて久しいが10年一日の如く、目覚ましい進展は殆んど見られない。 その中で、少しでも日本の技術や製品の情報を海外に届けようと頑張っているサイトがある。 株式会社デジタイズドインフォメーションが運営する DigInfo TV である。 この会社は取材から映像制作、日本語と英語によるナレーション吹き込み、そして発信作業に至るまですべてを自らの手で賄う。 YouTube上にもチャネルを有しているので、欧米やアジアなどからの注目度も高く、多くのアクセスがある。  動画という極めて情報力の高い手段を用いて英語と日本語の二カ国語で日本の製品・技術の情報を発信するサイトは、日本人にとっても貴重である。 2006年春からほぼ毎日のように地道に情報を発信し続けるその努力に大いに敬意を表したい。 4/12/09

ColaLife

某社の清涼飲料水は世界の隅々まで届けられる。 アフリカの最貧国までも。 其の清涼飲料水を運搬する箱のの中に薬や避妊具等を入れて、一人でも多くの子どもの命を守ろう、一人でも多くの人を病気感染から守ろうと、地道な運動をしている組織、ColaLife。 その代表者Simon Berry氏が4月2日G20会場で、あの Bob Geldof に直撃。 わずか1分でColaLifeとその活動をインプット。 Berry氏、Geldof氏共に実に活動的だ。 Simon Berry talks to Bob Geldof about Colalife.org, condoms and the Pope from Podnosh on Vimeo . 4/5/09

グリーン・ニューディール

今日のNHK特集番組「環境で不況を吹き飛ばせるか~グリーン・ニューディールの挑戦~」, 70分の長時間番組であったが、私のフィルターを通して聞き取ったキーワード を羅列してみると・・・ ・ オバマ大統領によるグリーン・ニューディール政策 ・ 自動車の蓄電装置をも給電端末と位置づけるスマート・グリッド網の整備 ・ スマート・グリッド網の一つの要の技術を担うGEとGoogleの協業 ・ グリーンカラー労働者(500万人の雇用創出) ・ 再生可能エネルギー分野に於ける米国による覇権復活 ・ 世界の最先端にある日本の自然エネルギー利用技術を生かしきる為の米国との戦略提携の必要性 スマート・グリッドの概念を、インターネットの進化プロセスに重ね合わせてみると、先ず直ぐに思い浮かぶのが、電力会社の役割に新たに加わる重要項目に、電気蓄積ノード(IT的発想の造語としては、電気サーバ・ノードとでも言おうか)網の構築とその管理が挙げられそうだ。 先ずは、備忘録。 3/19/09