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書棚の整理中に・・・

 日常の家事で本棚の整理は、ひときわ時間が掛る作業だ。もう二度と読むことは無いだろうと思われる書籍を背表紙の文字で判断して段ボールに詰めて古本屋さんへ或いは資源ごみとして古紙回収業者にだす。しかしながら、昔懐かしい背表紙の文字を見るとつい手にとって読み始めてしまう事は誰もが経験することだろう。今もついその表紙を開いてしまった本がある。 1987 年に講談社から発行された糸川英夫博士著「日本が危ない」、その 128 頁に次の様な文章がある。 「イスラエルはまったく違う。砂漠で農業が出来ないから、農産物を輸入すればいいというのではなく、砂漠でも何とか農業ができないものかと、一所懸命に考えて、独自の方法を開発した。それも、砂漠という農業にとっては致命的な悪条件を、逆に利用したすばらしいアイディアである。  ユダヤ人は常に周辺民族との苦しい戦いを強いられ、流浪の旅でも迫害され続けてきた。だから、例え農産物を何処かの国から輸入しても、その国との関係が悪くなって輸入がストップしたらどうしようかと、ずっと先のことまで考える。しかし、日本人はそこまでを考えない。 だから、オイル・ショックの様な事が起こると、とたんに狼狽し、日本中がパニックにおちいる。  日本も先のことを考えて原子力の利用をしているのではないかという人もあろう。その原子力発電にしても、海外からの輸入技術で、日本人が独自に開発したものではない。 しかも、廃棄物の再処理問題も解決していないうちに、何処かの国で再処理技術も開発してくれるだろうから、そのときに処理技術を導入すればいい。 それまでは、どこかにためておけ。  これで、先の事を考えたつもりなのである。」  上述の状況は30年余を経過した今も余り変わっていない。 糸川英夫博士は 1996 年徳間書店から出版したその著書「日本でくらしたい日本人のために、これだけは言っておきたい  -   21 世紀への遺言」170頁以降に次の様な文章をも残している。 少し長いがここに引用する。   「核開発をめぐる人間のおごり  もう一つの話をします。世界中のマスコミの大反対の中で、フランス政府は、南太平洋のムルロワ環礁で核実験を強行しました。今後も、核兵器開発は止みそうもありません。   ここで、考えてみたいのは、第一に『核技術...

創造力と活力の源泉となる場を設ける・・・

イスラエルの人口は僅か780万人程度だがそこには、数多くのベンチャーキャピタル( VC )があり、優れたアイディアと技術を有する若い企業が世界に羽ばたいて行く。  その数ある VC の中でも最大手の一つ JVP Fund 、そのエルサレムに本拠を構える VC としての機能を包み込むように、 JVP Media Quarter がある。  JVP Media Quarter は、 JVP Fund の創業者 Erel Margalit 氏が、技術、創造性、社会活動の融合を実現し興奮に満ち活力に溢れる場を設けようと、 2002 年にその構想を描き、翌年からその実現へ向けて動き出した。  2006 年には英国統治時代に建てられたビルを改修し、エルサレムの旧鉄道駅周辺の活性化も実現する大がかりな作業に着手、 2008 年に現在の姿が完成した。 そこにはバウハウス様式の美しい姿のビルがあり JVP Fund, JVP Media Labs, JVP Community がある。  JVP Fund は文字通りベンチャー企業に対する資金的支援がその業務、 JVP Media Labs は生まれたての企業を育てて行くインキュベーションをその主たる業務とし、そのもとに集まる多くの若い企業が JVP Media Quarter 内に事務所を構える。 そして JVP Community は、何某かのハンディキャップを有する子供に対する教育上の支援、社会生活の為の予備的支援、それらの子供の親たちに対するアドバイス等広く考えられたプログラムの提供、若い音楽家、芸術家の表現の場所などが提供されている。 驚くべきことは、 JVP Media Community の実質的な活動が徴兵前の若者によるボランティア活動により支えられているという事だ。 この様に、若い企業が生まれる環境を作り、育て試験的支援を行う一方、ハンディキャップを有する、潜在的な社会的弱者を子供の時から支援して行くシステム、 JVP Media Quarter の資料を読んでいて、今こそ日本にもこの様な仕組みが必要ではないかと、つくづく思う。  おりしも、 7 月 15 日朝日新聞朝刊「ザ・コラム」に渥美好司氏(朝日新聞福島総局長)が専修大学広瀬教授の言葉として「希望のある社会とはどの様なものかを想像...