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コストを消費者に転嫁する動きジワリ - 金融業もか!?

   長引くコロナ禍も今年2022年1月をもって3年目を迎えた。この間、コロナ禍の拡大を抑えるために厳しい行動制限がなされて経済活動が停滞し、感染者数が急減すると行動抑制が解かれて経済活動が活発になるということが繰り返され、最近ではコロナ禍と経済活動は共存することが当然であるという議論が増えてきた。現在、日本ではオミクロン株と称するコロナウィルスによる感染が急増、六度目の山を迎えつつあるが、感染力は強くとも感染者の重篤化は従来株に比べて少ないとか。
  ところで、前回第五波の頃から我が国でも「With Corona」という言葉で象徴されるように、コロナ禍の中でも可能な限り経済活動が出来るようにしようという発言が目立つようになってきた。そのこと自体にあまり異論はない。問題は、欧米が先駆けて経済活動を再開する方向へ大きくかじ取りを始めたことにより、資材や商品を運搬するコンテナが不足、建築資材の値上がり、石油価格の上昇、小麦粉をはじめとする食料の原料価格の上昇と(小麦の値上がりは原因はコンテナ不足だけではなさそうだが)等多くのものが値上がり傾向になり、米国ではインフレ懸念からFRBが金融引き締め方向に動くとの報道もされるようになってきた。
  我が国においてもその影響は大きく、いろいろなものがジリジリと値上がりし始めている。製造メーカとしては、原材料価格の上昇を吸収しきれなくなれば値上げせざるを得ないだろうということは理解できる範囲の話だ。 しかし次の記事を見て驚いた。

2022年1月15日付東京新聞朝刊
 
  この記事を読んでいて何とも言えない違和感を覚えたのは筆者だけだろうか。通貨を取り扱うことを生業とする金融機関がその通貨を数えることにかかるコストを顧客側に転嫁するという話である。この記事によれば「法律によって一度に使える硬貨は一種類につき二十枚までと決められている」とある。通常の市中における商品の売買においては已むをえないことだと思うが、金融機関には硬貨を数える機械もあるだろうしその機械の保守費用も金融業を営むコストのはずだ。この記事を読むと機械の故障修理、機械の買い替えなどのコストがばかにならないということのようだが、なぜ今このようなことを持ち出すのだろうかと不思議に思う。機械の故障率が急に上がったのか、否、機械の価格が急騰したのか。 よく分からないことであるが、ともあれ、これまで自分のコストとして賄っていたものを突然顧客側に転嫁する姿勢を理解することは難しい。この記事を読むと金融業側特にここに記されている郵貯の魂胆はキャッシュレス化への誘導にあるようだが、それでも金融事業者の本来のコストを顧客側に転嫁する理由にはならないだろう。 絶対に故障しない安価で精度の高い硬貨数量計はできないものか。その内紙幣さえも大量に持ち込むと手数料を取られるのではと危惧してまう。


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