スキップしてメイン コンテンツに移動

facebook

昨日、月刊誌「Foresight10月号」が届いた。 先ずは、何時も楽しみにしている梅田望夫氏の連載コラム「シリコンバレーからの手紙」のページを開いた。 彼の話は何時も示唆と刺激に富んでいて大変面白い。今月はのタイトルは、”「フェースブック」の急成長に感慨と無力感を覚える”とある。 一頁コラムなので先を急いで読んでみた。 

最後のくだりを引用すると・・・「本欄七月号、八月号で述べた英語圏ネット空間の「知の充実」や「人生のインフラ」化も、日本語圏との温度差がかなり大きいのだが、ことここに至って「実名での人間関係の地図」となると、日本語圏ネット空間では未来永劫生まれそうもないものが、ひょっとすると英語圏には構築されるのかと感慨深く、しかし同時に無力感のようなものすら感じるのである。」とある。

これでもどうもピンと来ない。 著者の文章は何時もわかり易く、完璧に理解出来るつもりでいたが、今回はちょっと違う。 要するに、私が「フェースブック」なるものを知らない故に、内容の理解が出来ないのだ。 早速「facebook」に一時登録し、中を覗いてみた。 

フェースブックの成り立ちはハーバード大学の学生寮の住人の名前、顔写真、趣味などを記録した小冊子をオンライン化したことに始まるとのことにて、フェースブックの登録者は圧倒的に現役学生と其の少し前の世代が多いようだが、殆どの登録者が自分の氏名と顔写真を公開している。 さすがに個人情報へのアクセスには制限を掛けられるようにしているが、実名と顔写真公開を基点として、ネット上での仲間をどんどん増やしてゆく。 きっと、若者を中心としたこのSNSは、あっという間に世界中に広がり、巨大ネットと化すだろうと思うが、梅田氏の言うように、実名・顔写真を公開して英語を共通言語として、人のつながりを求めてゆく方法は、日本人には馴染みにくい。 このようなところにも、日本が世界から孤立する目があるかと思いつつ、ようやく梅田氏の話を理解した。

9月14日

コメント

このブログの人気の投稿

我が国メディアに期待すること 

  昨日は安倍元首相の「国葬儀」が行われました。テレビも新聞も殆どのメディアはその「国葬儀」の様子を伝えながら、国論を二分した「国葬儀」の意味をどこに求めるのか控えめに報じていましが、核心に迫る報道は殆どなかったように思います。実は、筆者はテレビや新聞をさほど見たり読んだりしていたわけではありませんので、認識が誤っているのかもしれませんし、もしそうであれば結構なことなのですが。  核心とは、つまり保守本流を標榜している自由民主党総裁として安倍元首相が何を成したのかということです。では「保守」とは何か、東京工業大学教授の中島岳志氏は次のように述べておられます。「保守とは、イギリスの政治家エドマンド・パークのフランス革命批判を嚆矢とする思想で、設計的に社会を改造しようとする進歩主義への懐疑を共有する。保守思想家たちは、理性に対する過信を諫め、急進的な改革主義に待ったをかけてきた。革新は歴史の風雪に耐えて残ってきた良識や経験値に基づいて斬新的に進めるべきであり、『その国独自の歴史的伝統や慣習の保持、人々の生活に根付いた文化や宗教的意識の継続性』を大切にしなければならないと説いてきた。」(東京新聞2022年9月27日夕刊)  安倍元首相は、実に多くのことを仕掛けてこられましたが、その結末がどうであったか、筆者には、保守政治家を標榜なさりつつもこれまでにないほど米国との距離を縮め米国の従者のごとき国家像を追求されていたように見えます。  更には、今年7月8日に安倍元首相が凶弾に倒れてから急に表面化した韓国旧統一教会と日本の政治家とのかかわり合いがあります。自由民主党国会議員の半数近くが濃淡の違いはあるにせよなにがしかの形で旧統一教会とのかかわりを持ったとされています。これにより、旧統一教会による日本政治への関与が懸念され、此処にも自由民主党の本来的な意味における「保守性」が維持されていたのかどうかという疑念が湧いてきます。又、その教祖の発言を記録したといわれる分厚い書物には「日本人は韓国に貢ぐべし」といった主旨の記述もあるといわれています。日本人が”寄付金”として貢いだ額は莫大な額に上り、メディアでは専ら過去の寄付金を募る方法が霊感商法にあったとする点に集中しています。 無論、霊感商法の”被害者”の方々は本当のお気の毒なことだったと思いますが、我が国メディアには同協会と日本政

起業家支援インフラ

米国には起業家支援の仕組みがしっかりと根付いていることは、良く指摘されるところだ。 数多くあるベンチャーキャピタル、小さな企業をも紹介する膨大な数の企業を掲載するポータルサイト、新たな技術や企業を適正な基準に基いて評価する組織(例えば ガイドワイヤグループ )や、新しい技術の発表の場を提供するイベント企業(例えば DEMO )などなど。 これらの組織は何れも民間事業である処に、米国の支援組織が如何にしっかりと社会構造の中に組み込まれているかを物語る。 さて、わが国日本は。 論を待たない。 3/12/08

総合知の活用で活力ある社会を実現

先日、 私が所属する非営利団体の一分科会が、今後の日本をどうするべきか、提言書を纏めた。その全文をこのブログに掲載する訳にはいかないが、ICT の切り口からどの様なことが出来るのか、近未来にありうる情景を短編小話風に書いてみた部分を以下に転載する。尚、提言書全文は、 南山会分科会ファイル に収められている。 =========00===================00==================00========== <総合知の活用で活力ある社会を実現> IT バブルの崩壊で明けた 21 世紀であるが、 IT (情報技術)の進歩は止まるところを知らない。それが真価を発揮するには、通信インフラが欠かせないが、東日本大震災で壊滅的被害を受けた通信設備も、電話や光回線等、基本部分は僅か 2 ヶ月足らずで復旧した。今後の復興過程では、更に堅牢で高機能な通信インフラが整備されていくに違いない。 IT で様々なものが繋がる巨大なネットワーク、そこには、広大な情報、知恵、多様な文化を持つ人々が存在する。今後、ネット上の情報発信者の数は急増するだろう。そして、発信される情報間の相互作用が始まると、とてつもなく大きな総合知、創造知が生まれる可能性がある。 我国発展の源泉は、従来もこれからも優れた人的資源と豊かな技術力である。 IT ネットワークは、そのパワーを増幅し日本国民が活躍する場を提供してくれる。今や携帯電話は一人に一台、しかも猛烈な勢いでスマートフォンが普及している。子供から老人までがネットにアクセスする時代であり、 IT に対する日本人の親和性は非常に強い。日本人の特質とされる高い受容性と応用能力に、東北人独特の粘り強さが相まって、 IT を高度かつ広範囲に適用すれば、被災地東北は以前より遥かに強くなり得るのである。今こそ、その潜在力を活用すべき時であり、それを為さねば彼我の競争力には大きな差がつき、我国は国際社会において著しく後れを取ることになるかもしれない。 我々はそのように考え、ここに IT がもたらす総合知を活用する為の、斬新な発想のアプリケーションの開発とその実証実験の実施を提言したい。最新 IT の活用が被災地復興・強化の一助となり、未来志向の産業のあり方を確立、魅力ある雇用を創出し大都市へ流出した労働人口を呼び戻し、新しい社会の